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債務整理の方針はどのように選んだらよいですか?

  • 文責:弁護士 井川卓磨
  • 最終更新日:2024年7月30日

1 債務整理の方針

弁護士に依頼して進める債務整理には、大きく分けて任意整理、自己破産、個人再生の3つがあります。

ここでは、自分の場合はどの方法を選べばよいか分からないという方へ向けて、このような方にはこの方針がおすすめです、という一般的なお話をさせていただきたいと思います。

債務整理の手続きにはそれぞれ特徴があり、どの方針が適しているかは人それぞれの個別的な事情によって異なりますので、どの方針を取るべきか分からないという方は、当法人までご相談ください。

2 任意整理について

任意整理は、債権者と個別に話し合いをして分割払いの交渉を行うことをいいます。

任意整理では、すべての債権者を対象とする必要はないため、借金の支払いを続けたい債権者がいる場合などにおすすめです。

例えば、個人や勤務先の会社から借入れがある場合や、車のローンが残っているがその車を残したい場合が考えられます。

また、任意整理では特段資料の提出を要求されないことが多いため、家族に内緒で進めたいという方にもおすすめです。

もっとも、分割払いの交渉をして支払い方法が決まったとしても、その後に支払いができなければ、残額を一括で請求されてしまいますので、しっかり支払いができるだけの資力がないと任意整理をすることができません。

3 自己破産について

自己破産は、借金の支払義務を免除することを裁判所に許可してもらう手続きです。

自己破産が認められれば、税金や養育費の支払いなど、一部免除の対象とならない債務を除いて、借金の支払義務がなくなります。

そのため、収入の中から借金の返済をすることが困難な方におすすめです。

もっとも、自己破産をすると、20万円以上の財産は処分しなければならない可能性が高いため、高価な財産をお持ちでそれを残したいと思っている方は自己破産には向かないかもしれません。

職業・資格制限がありますので、これに該当する職種の方は、自己破産手続き中は仕事ができなくなる点も注意が必要です。

また、借金が増えた原因が浪費やギャンブル、投資などにある方は、免責が許可されない場合や破産管財人という弁護士が裁判所から選任される可能性があります。

4 個人再生について

個人再生は、裁判所の手続きを通じて、借金の金額を法律に従った金額まで減額することを目的とした手続きです。

個人再生では、法律に従って減額された借金を3年~5年の期間で分割返済をすることができれば、基本的には財産を処分する必要はありません。

また、住宅資金特別条項という制度を使うと、住宅ローンの残っている不動産を残しながら、その他の借金の減額を図ることができますので、住宅ローンのある方はよく個人再生を選ばれます。

もっとも、個人再生では、3年~5年で返済を完了して初めて減額された部分の借金の支払義務が免除されることになっていますので、しっかりと支払いを続けることができるだけの安定した収入があることが必要となります。

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